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大臣事前折衝後記者会見概要
(H13.12.18(火)16:42〜17:15 厚生労働省記者会見場)
厚生労働省ホームページより(広報室)
《平成14年度原爆被爆者関係予算要求について》
(大臣)
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塩川財務大臣との予算につきましては以上にさせていただきまして、この席を借りてもう一つ発表させていただきたい問題がございますが、一つは在外被爆者の問題であり、もう一つは長崎におきます被爆地域の拡大要望についてでございます。原爆被爆者対策に対します平成14年度予算要求におきまして、その内容が固まったわけでございまして、このことにつきましてもお答えをさせていただきたいと思います。
ご存じのように本年の8月の6日広島、9日に長崎で原爆式典が行われました際に総理及び私から在外被爆者問題及び長崎の被爆地域拡大要望問題につきまして年末までに結論を得たい旨のお答えを申し上げたところでございます。今般、14年度予算に反映できる内容をどうするかということで議論をしてまいりましたが、一応それが固まりましたことから早速財務省に要望することといたしました。最初に在外被爆者の援護に関します当面の対応でございます。この在外被爆者の問題につきましては12月に検討していただいておりました検討会から、その結論を頂戴をいたしまして、今日まで鋭意検討してまいりましたが、在外被爆者の問題全てを決着をするところまで至っておりません。しかし第一段階といたしまして、全ての在外被爆者が、今日日本にまいりまして被爆者健康手帳の交付が受けられるようにする。併せて日本を離れます時における届け出等の手続き規定も整備をすることにいたしまして、その所在を把握できるようにすることを中心とするものでございます。そのために必要な旅費等を支援する他、健康上の事情で訪日が出来ない方にも被爆の確認を行いまして訪日が可能になった場合の手帳発行に備えますとともに、必要な情報提供等を行えるようにしたいと考えております。しかしながら今回の措置はあくまでも第一歩に過ぎないわけでありまして、私といたしましては国によって様々に異なります医療供給体制でありますとか医療水準を念頭に置きつつ、原爆医療のために更にどのような措置を講ずることができるか次の段階として早急に検討をしたいと考えております。これが在外被爆者の問題でございます。
次に長崎におきます被爆地域拡大要望に関します内容といたしましては別紙1と別紙2がございますが、別紙1は在外被爆者の問題でございましたけれども、別紙2としてこの長崎の問題を取りあげているところでございます。その中に書いておりますように、要望地域の住民につきましては、原爆の放射線による健康被害は認められないことから、被爆者援護法に規定します医療等の施策の対象にはなりませんけれども、被爆体験による精神的要因に基づく健康影響が認められることに鑑みまして、別途被爆者援護法に準じた医療費の支給を行うこととしたい、そういうふうに思っております。今朝総理にもご報告を申し上げまして、ご了解を得たところでございます。関係者の皆さん方に今ご説明をさせていただいているところでございます。以上2点追加をしてご説明を申し上げたところでございます。
《質疑》
(記者)
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大臣、在外被爆者の方ですが、法律の規定の整備というのはですね、いわゆる援護法の改正というふうに捉えてよろしいのでしょうか。それとも省令かなんか。
(大臣)
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これは少し改定をしないといけないと思いますが、改正せずにいければ、この第一段階のところは行きたいと思いますが、ちょっとよくここは吟味をいたしまして、改正が必要なところがあれば、それは改正をしなければいけませんから、やっていかないといけないというふうに思いますけれども、とにかく各国の中にどれぐらい在外被爆者がお見えになるかということの把握が十分に、正直なところ出来ておりません。その皆さん方を明確にすることが第一歩だろうというふうに思っておりまして、そのことにつきましては、平成14年度の予算の中にも、それを盛り込んでいただいて、そして14年度からスタートをしたいというふうに思っております。
(記者)
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それでおおむね3年以内の。
(大臣)
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だから3年以内にですね、それは2年で済めばもう2年で行いますし、1年で済めば1年で行いますが、長くなりましても3年というふうに見ておりまして、後の方でパラパラ出てくることもございますので一応3年を取ってございます。
(記者)
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将来的な話なのですが、検討会の報告書で取り上げられてます、基金等の創設による海外居住者への現金給付についてはどのようにお考えでしょうか。
(大臣)
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これをやりました後次にどうするかという話になってくるだろうというふうに思うわけですが、これは同時並行的に検討していかなければならないというふうに思っております。それは個々人に対して何かをするのか、それとも国別に何かをするのかという問題がございます。国情がかなり違うものでございますから、そこをどうするかということがございますので、その辺のところもですね、現在の段階では上手く割り切れないところがございます。国によりましては、個々にせずにですね、国として何かをして欲しいというふうにおっしゃるところもあれば、それは個々の人に対してする方がいいというふうにおっしゃる方もおります。在外被爆者の間でもそこの意見の統一は少し出来ていないということだろういうふうに思います。こちら側といたしましても、その辺のところをどちらかに割り切れないといけないというふうに思いますから、この予算までに、そこはちょっとできなかったということでございますので、ここも早急に、一方におきましてこの予算措置をして、皆さん方を診断をし、あるいは治療を行うというようなことがあればそれを行います一方において、そちらの方の決定も急ぎたいというふうに思っております。
(記者)
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検討会に出席された韓国とブラジルとそれからアメリカ、それぞれ被爆者の方いらっしゃいましたが、最近要望書が出ていて、それを読む限りにおいては、少なくともブラジルの方とアメリカの方はですね、とても高齢であり、しかも病気でも持っている場合には日本に飛行機で24時間かけて来るということが非常に難しいということを心情を率直にいいますと代弁してらっしゃるのですが、今回の措置は基本的には日本に来てもらうというのが。
(大臣)
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原則といたしておりますけれども、そういう方もお見えでございましょうからそういう場合にはこちらから人が出張して、そして向こうで対応させていただくということも、それは当然考えないといけないというふうに思います。全ての人を日本に来てくださいと言ったって、それは無理なことであろうというふうに思いますから、ブラジルならブラジル、ブラジルもですね、広いですから、サンパウロとか中心になるような都市にお見えになる方はまだしも、そうでなくて非常に山間僻地でいろいろ農業等を従事してお見えになる方もお有りだろうというふうに思いますから、それを全ての皆さん方に日本に来なきゃ駄目よというふうに言うのはこれはいけないというふうに思いますから、そこは具体的に我々も対応していきたいと思っております。
(記者)
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在外被爆者の方なんですが、資料の中に出ている、「手帳は国内のみ有効であることの明記」とあるのですが、これは在外被爆者の方の多くの方々がこだわる被爆者援護法の適用というのはもうこれはしないということなんでしょうか。
(大臣)
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そこまで決めているわけではございません。手帳はちゃんと持っていていただきましょうと、そこはもう外国に戻られたらそれはもう全然何の用も立ちませんよということではなくて、被爆を受けられた方としての認定のために必要なものでございますから、そこは明確にしておきたい。そしてその皆さん方に対して今後どうするかということを、この第2弾として考えなきゃならないというふうに思いますが、そのことについての結論をこの予算の編成までに得ることは少し出来なかったということでございます。
(記者)
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今後の検討課題ということで。
(大臣)
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はい。今後第2弾として検討してまいりたいと思います。しかしそう長く時間をかけるというわけにもいかないというふうに思いますから、出来るだけ早く結論を出したいというふうに思っております。
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