中国人被爆者からの控訴断念を求める声明

呂学文さん 張文彬さん

呂学文さん


 私は戦時中広島に強制連行され、強制労働させられたあげく、原子爆弾で被爆しました。
 1993年8月、戦後はじめて広島を訪れた私は、被爆者健康手帳を取得しました。しかし、この手帳は中国に帰ると紙切れ同然になって役にたちません。50年前には西松組監督から殴られ、傷つけられたが、50年後に今度は被爆者健康手帳の屈辱を受けようとは思いもしないことでした。私は広島市長に会ってこの屈辱的な制度を改めるよう求めましたが、解決しませんでした。このたび郭さんの裁判で、裁判所が道理にかなった正しい判決を出したことを知り、大変うれしく思います。日本政府は控訴せず、直ちに海外の被爆者に対する差別的措置をやめるよう、強く要求します。

(呂学文さんは中国人強制連行・西松建設裁判の原告です。
  http://hb5.seikyou.ne.jp/home/ykkwhr/index.html )


張文彬さん


 わたしは戦時中新潟へ強制連行され、広島で被爆した中国人です。原爆で幸い生き残って帰国したものの、その後の日々は本当に苦しいものでした、疾病に疾病を重ね、治療しても回復せず、薬を飲まない日はありませんでした。この10年は毎年入院し、何回も手術をしました。このような生活はとても疲れました。1993年私は友人の招きで48年ぶりに広島を訪れ、被爆者健康手帳を取得しました。日本の国が私を公式に原爆の被害者であることを認めたのです。ところが被爆者健康手帳は中国に帰ると失効するのです。強制連行・強制労働、そして被爆という、三重の苦しみを負った私たちに、更に苦しみを与えるものです。日本政府が大阪地裁判決を受け入れて控訴しないように強く求めます。

(張文彬さんは新潟港に強制連行された中国人被爆者裁判の原告です)


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