日本政府の郭貴勲裁判控訴に満腔の怒りをもって抗議する
〜日本政府は在外被爆者に「座して死を待て」というのか〜 |
2001年6月15日
日本政府の郭貴勲裁判控訴に満腔の怒りをもって抗議する
〜日本政府は在外被爆者に「座して死を待て」というのか〜
韓国の原爆被害者を救援する市民の会・会長 市場淳子
(豊中市東豊中町4−21−10)
大阪地方裁判所の判決は、被爆後56年間、原爆後障害と貧困の悪循環のなかで、何らの援護も受けることなく苦しみつづけてきた数多くの在外被爆者に、生きる希望を与えた。
それにたいし、本日の日本政府の控訴は、高齢化した在外被爆者の希望を踏みにじり、「座して死を待て」と言うに等しい行為である。
われわれは、厚生労働省幹部が控訴理由として「ハンセン病の問題と異なり、国が著しく人権を侵害してきたわけではない」と発言したことに、激しい怒りを感じる。
大阪地裁が「憲法14条違反の恐れあり」と断じた、法律を無視した通達行政により、どれほど多くの在外被爆者が、無援護情態のなかで非人間的な生を強いられ、命を縮められたことか?
しかも、被爆後56年間、在外被爆者の実態調査さえ一度もやったことのない日本政府に、「国が著しく人権を侵害してきたわけではない」などと言うことは絶対に許されない。
ハンセン病元患者たちが受けてきた人権侵害にたいし、真摯な反省と謝罪をした小泉総理・坂口厚生労働大臣・森山法務大臣にとって、在外被爆者の人権侵害は結局「他人事」であったのだ。
このような完全に誤った認識のもとになされた控訴は、それ自体が在外被爆者の人権を侵害するものであり、在外被爆者に無援護のなかの死を強要するものである。われわれはこうした控訴にたいし、満腔の怒りをもって抗議する。
われわれは日本政府にたいし、一日も早く理不尽な在外被爆者排除の姿勢を改め、在外被爆者にも被爆者援護法を法律どおりに適用するために、402号通達をすみやかに廃止することを強く求める。
われわれは今後も、77歳を迎えてなお闘う道しかない郭貴勲さんを支えながら、高齢化した在外被爆者に一日も早く援護施策が実施されるよう、法廷内外において全力を尽くす所存である。
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