日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)

2001年6月12日
厚生労働大臣 坂口 力殿

日本原水爆被害者団体協議会
代表委員 坪井直
  同  山口仙二
     同   藤平 展
事務局長 田中煕巳

要請書


 外国に住んでいる被爆者は、「原子爆弾被爆者に対する援護に関する法律」による医療費の給付も手当の支給も受けることができず、高齢化とともに大きくなる生活と健康の困難の中で、幾重にも苦しんでいます。
 この法律には、「日本に居住しているものと日本に現在していないもの」とを区別する文言はなく、いったん健康管理手当の支給を受ける権利を得たものが国外に出たばあい、この権利を失うという規定はありません。
 私たちは数年来、韓国、米国、ブラジルに在住する被爆者といっしょに、国に対し、この法律を、法律に定めるとおりに在外の被爆者にも適用することを求めてきました。
 去る6月1日、大阪地裁が、健康管理手当の継続支給をもとめる在韓被爆者・郭貴勲さんの訴えを全面的にみとめる判決をくだしました。
 
厚生労働大臣におかれましては、同判決にしたがって、ただちに下記の措置を講じられますよう強く要請します。

1.この件を絶対に控訴しないでください。郭さんをこれ以上苦しめないでください。

2.郭さんにただちに健康管理手当を支給する措置をおとりください。

3.「原子爆弾被爆者に対する援護に関する法律」を、在外被爆者にただちに適用する措置をおとりください。

4.これまでの差別的な行政によって奪われてきた被爆者の人権を回復する、責任ある措置を講じてください。

以上


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