日本政府への申し入れ
郭貴勲さんに対する控訴をやめ、在外被爆者への援護法適用を求める
六月一日、大阪地裁は、帰国を理由に健康管理手当ての支給を打ちきった日本政府の措置を不当とし、韓国人被爆者郭貴勲さんの訴えを全面的に認める判決を言い渡した。
判決は、論点となった被爆者援護法について、「社会保障と国家補償の性格を併有する」としたうえで、被爆者のおかれている悲惨な実情からも被爆者を救済すべきと断じた。さらに、判決は、「法のもとでの平等」をうたった憲法第十四条を引いたうえで、旧原爆二法も被爆者援護法も居住条件の変更で受給資格を失うとは規定していないとして国側の主張を退けている。
被爆者に対する国側の「冷たい」行政は、この間、長崎原爆松谷訴訟の最高裁判決、京都原爆裁判大阪地裁判決でもきびしい批判を受けている。まして、韓国・朝鮮の被爆者は、朝鮮半島の植民地支配と日本への強制連行、原爆投下という、日本の引き起こした侵略戦争に起因する二重三重の犠牲者であり、日本政府が援護の責任を負っていることは明白である。
日本原水協は、日本政府が大阪地裁判決を控訴せず、援護措置の適用を「日本国在住者に限る」とした従来の過った行政を根本から改めること、朝鮮半島をはじめ、在外被爆者にも被爆者援護法をただちに、全面的に適用することを強く求めるものである。
二〇〇一年六月一二日
原水爆禁止日本協議会
内閣総理大臣 小泉純一郎殿
東京都千代田区永田町二-三-一 内閣総理大臣官邸
FAX 03‐3581‐3883
厚生労働大臣 坂口力様
東京都千代田区霞が関一-二-二 中央合同庁舎五号館 厚生労働省
FAX 03‐3595‐2020
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