広島市 市長声明

広社原第258号
平成13年(2001年)6月8日

内閣総理大臣 小泉純一郎 
法務大臣   森山 眞弓   様(各通)
厚生労働大臣 坂口 力

広島市長 秋 葉 忠 利

在韓被爆者手帳訴訟(大阪地裁)について(要望)


 国におかれましては、被爆者に対して、「原子爆弾被爆者に対する援護に関する法律」(被爆者援護法)により、保健、医療及ぴ福祉にわたる総合的な援護対策を充実していただいており、深く感謝しております。

 しかし,被爆後、自国に戻ったり様々な事情から海外に渡った被爆者については、こうした援護の対象となっておらず、戦後50余年が経過しても今なお在外被爆者対策が課題として残っております。

 先般、こうした問題について、大阪地方裁判所は、被爆者援護法の持つ人道的役割を重視して、原告の主張を認める判決を出しました。

 被爆の惨禍を受けた本市としては、人道上の立場から、また、核兵器廃絶と世界恒久平和の実現という人類全体の課題に対して進めてきた本市の取組みの経過からも、この判決を歓迎するものであります。

 在外被爆者に対する対策については、国内の被爆者と同様、国の責任において対応されるべき問題と考えております。
 国におかれては、原告及ぴ多くの被爆者が高齢であることからできるだけ早期に解決が図られるためにも、控訴を行わず、この判決の趣旨を踏まえ、在外被爆者に対する支援を一層促進されるよう、被爆地広島市として、国の積極的な取組みを要望するものであります。


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