日本政府は被爆者援護法に明記されていないのに、また、裁判所から「違法である」と言われたのに、いまも在外被爆者の手当を受ける権利を奪い続けています。こんな司法を無視した行政の横暴、そして非人道的なことが許されるのでしょうか?
一九八三年在ブラジル被爆者は、日本国内居住者と同様の法適用を求めて、「在ブラジル原爆被爆者協会」を結成。日本への働きかけにより一九八五年よりブラジルへの検診団派遣が実現。その後も、日本在住被爆者と同等の援助を求めて日本に帰国、要請を繰り返している。
会長の森田隆さんは郭貴勲裁判では大阪地裁で証人として証言。厚生労働省の「在外被爆者に関する検討会」では参考人として陳述。在ブラジル被爆者の惨状を訴えるとともに、在外被爆者に対する行政の矛盾と問題点を指摘した。
国は二つの裁判で敗訴したにもかかわらず、二〇〇一年十二月に、厚生労働省は、日本で手帳を取得し、治療するための渡日費用を出すとの施策を打ち出した。高齢の在外被爆者には、日本に来ての治療は非現実的な施策でしかない。森田さんは提訴を決意した。しかし、三月一日の提訴直前に心労のためか、ブラジルで心筋梗塞で倒れ、現在リハビリ中。
現在各国の被爆者は、厚生労働省の施策に一斉に反発し、居住地での被爆者援護法の適用、医療支援等を求め、日本政府、厚生労働省と交渉を継続している。
在ブラジル被爆者裁判とは?
( 争点 )
これまで国は郭貴勲裁判、李康寧裁判で二度にわたって敗訴しているにも関わらず、在外被爆者に援護法適用をしていない。
ブラジルの森田さんは日本国籍をもっている人でもあるが、国は健康管理手当を出さないばかりか、ブラジルにいる間に支給した手当の返還請求をした。森田さんは在外被爆者への援護法適用を求めて二〇〇二年三月一日提訴した。
また、同七月三十一日には、さらに七名のブラジル在住被爆者が、広島地裁に追加提訴をし、原告は八名となった。今回追加提訴した七名の被爆者のうち六名は、日本国籍を保持している。
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