朝日新聞ニュース 長崎版  2001.12.22 


 個別事業は満額内示 来年度予算の原案


個別事業は満額内示 来年度予算の原案

 県は21日、政府予算情報連絡会議を開き、来年度の政府予算要望事項の採択状況を確認した。諌早湾干拓や佐世保港の新岸壁整備など、個別に内示された事業はすべて要求額に対して満額が示された。だが、全国枠の公共事業費は減額されたものが多く、県企画調整課は「個所づけへ向けて、重点を絞った要望をしていく」としている。

 佐世保港の防衛関連と民間施設のすみ分けでは、平瀬係船池(ジュリエットベイスン)の新岸壁整備が6200万円、移転集約構想調査が8400万円。県基地対策室は「(新岸壁整備の)環境調査は既存資料の活用で前年より額は低いが、本格着工に近づいた」。

 国営農地再編整備事業「北松地区」は12億円で、予定通り来年度中に事業が完了する見通し。諌早市の本明川ダムは、基本計画策定へ向けた調査費など5億円が確保された。

 被爆未指定地域や在外被爆者の対策について原爆被爆者対策課は「百%ではないが、厳しい状況の中で前進した」と評価した。

 全国枠で内示された事業では、概算要求が72億円の契約野菜安定供給事業がゼロ査定で復活折衝に回った。県内にも31の指定産地があり、県は農水省に改めて強く要請するよう求めている。

 また、来年度の交付税について、古川康総務部長は「臨時財政対策債を加えた広義の交付金は4・5%増」との見通しを説明。「福祉を担う市町村や税収が落ち込む大都市部へ重点配分される懸念がある。厳しく見つめていく必要がある」と話した。


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