朝日新聞ニュース 長崎版 2001.12.19
在外被爆者援護策に支援者ら怒りの声
在外被爆者援護策に支援者ら怒りの声
在外被爆者の援護について厚生労働省が18日に決めた当面の対応について、在外被爆者の支援者らは「期待を大きく裏切られた」と話した。とくに被爆者健康手帳が国内でのみ有効とする規定を明記する省令改正をすることについて怒りの声をあげている。
在外被爆者訴訟を支援している平野伸人さん(54)は省令改正について「援護を受けられない被爆者たちは、期待を持って待ち望んでいた。(決定は)非人道的で、差別以外の何ものでもない。事実上、在外被爆者を援護から切り捨てる最後通告だ」とした。渡日治療費の援助についても「健康状態が悪く日本に来られない被爆者がいるという実態を全く把握していない。国外に居住する被爆者の援護をどうするかを考えなければ意味がない」と話した。
支援者らは今後、国への抗議姿勢を強め、米国やブラジルにいる在外被爆者らで裁判を起こすことも検討するという。
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