被爆者援護法に基づく健康管理手当の申請を却下した広島市の処分取り消しを求め、広島地裁に提訴していた韓国平沢市の朱昌輪(チュチャンユン)さん(82)が今夏、亡くなっていたことが二十五日、支援者の話で分かった。一連の在外被爆者訴訟で行政敗訴が続いたのを受け、広島市は二十日に却下処分を取り消して申請の実質審査を始めていた。
「韓国の原爆被害者を救援する市民の会」の市場淳子会長(49)=大阪府豊中市=が今月、韓国を訪問。韓国原爆被害者協会畿湖支部の役員と十八日に面会し、「脳梗塞(こうそく)で入退院を繰り返していた朱さんが、八月九日に亡くなったと聞いた」という。
市場会長は「在韓被爆者の苦しみを知りながら訴訟を引き延ばす日本政府の被爆者に対する冷酷さが表れている。被爆者健康手帳の海外交付を認めるなどの制度改善を一刻も早く進めるべきだ」と話している。
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