◇県「改めて検討する」 市民団体「韓国の原爆被害者を救援する市民の会」などは10日、被爆者健康手帳取得の条件を満たすが、健康上の理由などで渡日できない在外被爆者に交付する「被爆確認証」を、本人の面接なしでも交付するよう、県に要請した。同会は、病気で来日を取りやめた韓国人女性(67)に対し、県が交付しなかった事例を挙げ、広島市や長崎県・市では面会なしで交付していると指摘。県は「本人確認のため、直接会う必要があると思っていたが、改めて検討する」とした。 確認証の交付は、国の在外被爆者支援事業の一つ。国は今年度から居住国での医療費助成事業を始めたが、確認証があれば、手帳がなくても助成を受けられる。 同会などによると、この韓国人女性は、広島の自宅で、家族6人とともに被爆。手帳取得のため、県に申請書を提出し、県から「来日すれば、ほぼ確実に手帳を交付できる」との返答を得た。先月末、妹(64)と来日する予定だったが、直前に体調を崩し、妹だけが来た。県職員は、妹の手帳だけを交付した。 同省が昨年9月に出した通達では、確認証交付時の判断について、「本人と面談するほか、申請者の被爆の事実を証明できる在外被爆者が来日した際に面談し、情報提供を求めるなどの方法もある」としている。 同会の豊永恵三郎・広島支部長は「医療費助成事業の開始で、確認証の重要性は高まった。県は国の通達をよく認識し、被爆者の視点に立った運用をしてほしい」と話した。 【牧野宏美】 毎日新聞 2005年2月12日 |