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在外被爆者、政府施策関連の動き(2003年2月以降)
[002/016] 156 - 参 - 総務委員会 - 8号
平成15年03月27日
○辻泰弘君 戦後処理という関連で二つお聞きしておきたいと思います。
厚生労働省にお伺いしたいと思うんですけれども、昨年の十二月五日に大阪高裁で在外被爆者に関する判決が出まして、それについて上告断念をされたと、こういうことが十二月十八日にあったわけでございます。それで、この十二月十八日以降、日本において手帳を取得して手当の支給認定を受けた場合で、出国した後手当の支給を行うということになったわけですけれども、この実施状況、お聞きしたい。
それから同時に、高齢の方なんかで日本に来て認定を受けることがもはやできないと、そういう方々に対してはこのことが対象にならないことになっているわけですけれども、やはりそもそも人道的見地からと、こういうふうに高らかにうたっていらっしゃるわけですから、その部分についても手当てすることを考えるべきだと思うんですけれども、いかがでしょうか。
○政府参考人(高原亮治君) 昨年十二月の大阪高裁判決を踏まえまして、出国した被爆者に対する手当の支給を都道府県等が行うことができるようにするため、政省令の改正等を行いました。今月から制度を実施したところでありまして、二十五日までに判明したところ、五人の方について支払済み、一人の方について支払手続中ということでございます。過去に手当の支給認定を受けていて出国されたことにより手当が支給されなくなった被爆者が六百五十名いらっしゃるわけですが、できるだけ多くの方々に早急に手当を支給できるよう引き続き努力してまいりたいと考えております。
それから、高齢化が進んでいてなかなか渡日、申請手続ができないのではないかというお話でございますが、在外被爆者の方々に対しまして、本年度から手帳取得や渡日治療のために渡日するための旅費の支援等に関する事業、これは主体は四県、失礼いたしました、二県二市でございますが、そういったものに対する補助事業を行っているところでございます。この事業におきましては、手当を申請するためのみの渡日の旅費支給の対象とはしておりませんが、旅費の支給対象となる手帳交付や渡日治療のために来日されるということは対象となっておりまして、併せて手当の申請を行うことも可能であります。さらに、被爆者の健康状況によっては付添い等のための経費も対象としております。
しかしながら、国外から手当の申請をすることは法律上認められないと考えておりまして、今回の措置は我が国においていったん手当の支給認定を受けた人が出国した場合のものであるということでございまして、手続は国内でしていただけるようにお願いしている次第でございます。判決におきましても、手当の申請時には日本に居住又は現在していることが前提となる旨判示されているところでございます。
○辻泰弘君 現在、今のことにつきましては、渡日が物理的にできないような高齢者の方々もおられるわけですから、その点についても人道的見地からお取り組みいただきたいと思います。
最後に聞きますけれども、もう一つ厚生労働省ですが、その戦没者の遺族などに対する給付に当たって交付国債の形態を取ってこられているわけですけれども、これは何ゆえ交付国債の形態を取ってこられたか、このことについてお伺いして、私の質問を終わりたいと思います。