韓国の原爆被害者を救援する市民の会機関誌「早く援護を!」114号より

いまだ日本と国交が回復していない朝鮮民主主義人民共和国にも、日本の朝鮮植民地支配の結果、広島や長崎で被爆した人がたくさんいる。

 昨年三月、故小渕首相は北朝鮮被爆者訪日団の支援要請に対して、「今世紀に起きたことは今世紀中に片を付けたい」と答えた。

 その日本政府がようやく三月一三日に、外務省・厚生労働省・日本赤十字の被爆者調査団を北朝鮮に派遣した。

 日本政府が、在韓被爆者に拠出した「医療支援金四〇億円」と同様の一時金で「片を付ける」つもりであれば、問題は絶対に解決しない。今後の日本政府の動きに注目していきたい。


毎日新聞ニュース(2001年3月18日)より


 被爆者 北朝鮮に1353人

   生存者928人 日本に補償求める


【北京17日坂東賢治】

朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)在住の原爆被爆者の実態調査を行ってきた政府代表団の佐藤重和・外務省アジア大洋州局参事官は17日、帰国途中の北京で会見し、北朝鮮側から被爆者総数が1353人、うち生存者が928人との説明を受けたことを明らかにした。

 佐藤参事官によると、北朝鮮では保健省や広島、長崎の被爆者団体である「反核・平和のための朝鮮被爆者協会」などと意見交換を行ったほか、被爆者の代表5人と会見し、入院している平壌市内の医療、研究機関などを視察した。

 北朝鮮側の説明によると、1995年に同協会を設置し、全国的な調査を行ってきた。生存者の平均年齢は69歳で、被爆者数はさらに増える可能性もあるという。被爆者代表らは会見の際、被害の状況を訴え、日本側に補償を求めた。

 北朝鮮では放射線障害に対する医学的知識や治療設備は不十分で、代表団が訪れた医療施設には暖房のない場所まであった。日本政府は韓国在住の被爆者に渡日治療や韓国赤十字への40億円の拠出などを行っており、今後、北朝鮮の被爆者にどのような援助を行うかなどの検討を進める。



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