市民の会の国会議員ロビー活動は、一昨年秋に、日本被団協の山本英典事務局次長が「関西で在外被爆者間題に関心を持ってくれそうな議員がいるから、市民の会から郭貴勲さんの裁判のことなどを話して、協力してもらったらどうですか？」と言って、山本孝史衆議院議員、中川智子衆議院議員の名前を教えてくださったことから始まった。
さっそく、大阪の世話人たちで二人の議員にアタック！そして、今年三月には、二人が国会で在外被爆者への被爆者援護法適用問題を取り上げて、質間してくださった。これを機に、わたしのなかの国会議員のイメージが大きく変わりはじめた。それまでは、遠い存在だった国会議員が、ひじょうに身近に感じられるようになった。「話せば通じる。話せば国会で動いてもらえる」と、思えるようになったのだ。
ところがその直後、総選挙があって、山本議員は惜しくも落選された（今度の参議院選挙に挑戦されるそうだ）。でも、中川議員が再選されたので、わたしは中川議員を頼みの綱に、「より多くの国会議員に在外被爆者のために力を尽くしてもらえる道を切り開きたい」と思うようになった。
「在外被爆者のための議員懇談会を作ろう！」という目標が定まったのは、七月一四日、郭貴勲さんが裁判で証言をされた日に、裁判を終えたその足で、郭さんの裁判支援のために来阪されていた崔日出協会会長と郭さんと支援者たちで、宝塚の事務所に中川議員を訪問し、再度、協力を要請したときのことだ。
そして、臨時国会の開幕を目前に控えた九月初句、在韓被爆者問題市民会議と日本被団協にも呼びかけて、三団体いっしょになって、東京の中川議員の議員室を訪れた。「在外被爆者のための議員懇談会を作るためにはどうすればいいのか？」について、中川議員と秘書の経験に基づくお知恵を拝借。まずは国会議員に対して、「在外被爆者問題に関する勉強会に参加されますか？」というアンケート調査をしようということになった。
アンケート調査活動は、中川議員の知恵袋と日本被団協のおかげで、じつにてきぱきと進んでいった。日本被団協は「被爆者援護法」を作るために、何十年も国会議員へのロビー活動に取り組んできた団体である。いつしょに動いてみて、教わることが多かった。
一○月始め、数人の議員から勉強会に参加するという返事が届いた。そこで、勉強会の日を、韓国・ブラジル・アメリカの被爆者が東京で集うことができて、国会議員も参加しやすい十一月十三日と定めた。
市民の会も、二月一三日めざして、広島や関西選出の議員の地元の議員事務所を訪れたり、東京の議員会館に足を運んだりと、国会議員ロビー活動に精を出した。
「勉強会参加」の意向を表明してくださった議員もまた、多くの議員が十一月十三日に集まるようにと、自分の政党の議員や、他政党の議員にまで、声を掛け合ってくださった。
その結果、十一月十三日には、「加藤紘一の乱」の只中にもかかわらず、十一名もの議員が、在外被爆者の訴えに耳を傾け、「超党派で議員懇談会を作ろう！」との声を上げてくださった。来春一月中旬に通常国会が開かれたら、無事に「超党派の議員懇談会」が発足されるよう、市民の会世話人はまたまた「国会議員ロビー活動」なるものに挑戦していくつもりである。
世紀が変わると、郭貴勲さんや李康寧さん裁判の判決も下るだろう。判決が下れば、裁判闘争と連動した国会での取り組みが、ますます重要になってくる。
会員の皆さんのまわりにも、在外被爆者問題に理解を示してくださる議員がおられましたら、市民の会にご紹介ください。「超党派の議員懇談会に入ってください」と頼んでみてください。よろしくお願いします。
在外被爆者の代表たちに問題解決へ、決意を述べる議員たち
