毎日新聞記事 2000年8月23日

救援する会会員
在外被爆者に平等な支援訴えー…
広島市に被爆者手帳返還

あすから2日間韓国・済州島で聞き取り

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手帳を広島市に返還し、在外被爆者への平等な支援を求める豊永さん(中央)ら=広島市役所で22日


 「韓国の原爆被害者を救援する市民の会」広島支部のメンバーら11人が24、25両日、韓国・済州島に住む被爆者を初めて訪問し、被爆体験や生活状況などの聞き取り調査を行う。これに合わせて、今回訪問する同会広島支部長の豊水恵三郎さん(64)ら3人の被爆者が22日、被爆者健康手帳を広島市に任意で返却した。「健康管理手当は出国した時に失権する」という厚生省公衆衛生局長通達(1974年)を根拠に、在外被爆者に対して健康管理手当の支払いを行わない同市に対する抗議で、「すべての在外被爆者に対して平等に援護法が適用されるべきだ」と訴えている。
 在外被爆者は、被爆者と認定されると被爆者手帳を交付され、特定の病気には健康管理手当が支給される。だが、国外に住所を移した場合は、同市は74年の厚生省通達を根拠に、手当の支給などはしていない。これに対し、豊永さんたちは「在外被爆者と、短期で海外に出る日本人被爆者との違いが不明確」などとして、この日、抗議の意味で自らの手帳を市原爆被害対策部援護担当課にに返却。口頭で、@在外被爆者が渡日治療の際には、手帳の再交付の手続きをなくすA在外被爆者にも平等に被爆者援護法を適用するーなどを改めて求めた。
 市側は手帳を受け取ったが、豊永さんらが帰国後に手帳の申請があれば再交付する。
 済州島への訪問団は、23日に釜山へ渡り、24日に同島へ入る。同島に住む被爆者4人に会い、被爆体験やその後の生活などについて聞き、希望があれば、広島への渡日治療の手伝いもする予定にしている。【菅原 健一】



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