あと数年で底をつく四十億円


 九四年九月、大韓赤十字社が四十億円の使用状況を発表、四十億円は数年後にも底をつく状況にあることが明らかになった。これによると、日本政府からの四十億円(約二四八億ウォン)のほか、韓国政府、赤十字社からの補助、銀行の利息収人などを含め、二九一億ウォンからなる収入に対し、診療費、健康診断費、診療補助費、葬祭料、経常費などの支出が約七十億ウォン、さらに着工が遅れた計画進行中の「陜川原爆被害者福祉館」の建設に三十億ウォンが計上されており、残額が一九一億ウォンとなっている。
 この数字は単純計算で数年後にはなくなる。そのうえ、ガイドラインで示された各支部の被爆者福祉センターの建設計画や、新たな被爆者掘リ起こしが進めば、四十億円が底をつく日はさらに早まるだろう。

  (在韓被爆者が語る被爆50年−求められる戦後補償−〈改訂版〉より)


詳しく知りたい在韓被爆者問題へ